[組曲:生命のフォリア]解説2

曲のこと

こんばんは。
ヴァイオリニスト・幻想音楽家のあさいまりです。

今日は14型のレコーディングに参加しました。
久しぶりのお友達にたくさん会えて、すごく嬉しかった♪♪

今回も引き続き、Sui Yumeshimaとのコラボレーション[組曲:生命のフォリア]について、
作者なりの解説を書いていこうと思います。

[死の舞踏]のモチーフには[Dies irae]

[ヴァニタス]、と並んで提示されたテーマの1つ、[死の舞踏]。
このテーマは音楽にもあり、すぐにいくつかの曲が連想されました。

サン=サーンスの「死の舞踏」
ベルリオーズ「幻想交響曲」
リストの「死の舞踏」 など…。

グレゴリオ聖歌の[Dies irae(怒りの日)]のモチーフが使われています。
私もこの聖歌に以前から魅せられていて、
死の舞踏というテーマならぜひこのモチーフをどこかに入れたいと思っていました。

グレゴリオ聖歌:Dies irae
サン=サーンス:死の舞踏
ベルリオーズ:幻想交響曲第5楽章

グレゴリオ聖歌を初めて聴いたのは、高校時代の西洋音楽史の授業でした。
和声がついていないユニゾンで歌われる合唱はどこか物悲しく魅力的で、
興奮したことを覚えています。
特にこのDies iraeは、なんともいえない不気味さを持っているように感じます。
そこがいいんですよね。
私の両親に話したら、気味が悪いと引かれてしまいましたが。

絵画の世界での[死の舞踏]

先に音楽の[死の舞踏]の話を書きましたが、
今回コラボレーションするにあたり調べてみて、
むしろ絵画の分野で多く用いられたテーマだということを知り、驚きました。
中世ヨーロッパでは、ペスト(黒死病)の流行により、人口の約半数が命を落としたと言われており、
そのことによってこのテーマが広く芸術に取り入れられたようなのです。

ミヒャエル・ヴォルゲムート 『死の舞踏』1493年、版画
画像は全てWikipediaより。

今も全く別物ではない、とは思いますが、
昔は美術と音楽が、より密接に関係しあっていたのだなと改めて感じた次第です。
今も現代音楽と現代美術は関係しているのかしら…。
私は知らないことが多いので、もっと視野を広げて世界を見なければ…。(独り言)

Suiさんが掲げたテーマは、現在のCOVID‑19流行と重なる部分を感じ、
このテーマを取り上げることに意味があるのでは、ということと、
神の審判という意味の表現より、救済や生命の力強さを表現したい、ということでした。

私も非常に共感を覚え、
全体的には憂いを帯びた組曲でありますが、
(私は放っておくと悲しげな曲になりがちですが)
そのあちらこちらに、祈りや希望の光が見出せるようにしていこうと考えました。

第2曲[生命の目覚め]

冒頭から、モチーフに取り入れたグレゴリオ聖歌:怒りの日を用いました。
ちょっと調子が外れたような、不安定なピアノの音色で、
(私はこの音色をとっても気に入っているのですが、)
遠ざかった意識が浮遊して自らの魂を探しているような、そんな絵を思い浮かべて作りました。

メイン楽器はピアノで、静かに音を紡いでいきます。
例えばDNAの螺旋模様がするすると伸びていくように…
その周りを、初めはチェロ、そして追いかけるようにヴァイオリンが、
蔦が絡み合うように進んでゆくようにしました。
朽ちかけていた命が、光を見出しそちら(希望)に向かって伸びていくような、
そんなイメージです。
全体をハープの音色が優しく包みこんでくれています。

命は不思議で、神聖なものです。
最近特にそう感じるようになりました。

生まれ、もがき生き、そしていつか朽ちる。
そしてまた新たな命が生まれ、そのサイクルは続いてゆく。
この美しい世界を、少しでも表すことができたら…。

『組曲:生命のフォリア』CDブックレットより

第2曲[生命の目覚め]e-moll
遠い記憶を思い返すような不安定なピアノの音色で「死の舞踏」を表すグレゴリオ聖歌の「怒りの日」を使用したもちーつを提示。メイン楽器はピアノで、生命の旅路を描き、その周りをチェロとヴァイオリンの音色が絡み合う。時間の経過とともに朽ちていくものがある一方、新しい力、新しい生命が湧き上がる様を描いた。曲の終わりは冒頭と同じメロディーが歌われるが、生命の力強い足取りが感じられるように、末尾は安定感のあるピアノの音で描いた。

ストリーミング視聴はこちら♪
https://ultravybe.lnk.to/lafoliadelavida


今回このような素敵な創作テーマで楽曲を作ることができて幸せでした!!!
そして、改めて芸術って素敵なものだと感じました。
Suiさん、そしてSuiさんと引き合わせてくださったgallery hydrangeaさまにも感謝です…!
これからは私自身、もっとさまざまな芸術に触れ、
その作者の考えているもの、感じている世界を覗きながら作品への理解を深めたいなと思います。

引き続き、またセルフ解説をしていきます。

ではでは今日はこの辺で♪
Have a nice dream…✦✦✦


【CD取扱店】

あさいまりECサイト『夢みる旅行社』
https://tippytipper.theshop.jp/
*サイン付きでお送りいたしております♪

gallery hydrangeaさま
https://gallery-hydrangea.square.site/
*Sui Yumeshimaさんの個展の行われたギャラリーさまです♪

不思議かわいい雑貨店アランデルさま
https://arundel.shop-pro.jp/?pid=163694151
*素敵な個人作家さんの作品が並ぶ、宝箱のようなお店♪


コメント

タイトルとURLをコピーしました