こんばんは。
ヴァイオリニスト・幻想音楽家のあさいまりです。
さて、最近は✦✦✦
新たな作品づくりに向けて、テーマなどを設定したり、
下準備を始めているところですが、
最近、SNSでも前作［組曲：生命のフォリア］を聴いているよ！というお声をいただいたり、
たまたま曲と出会って気に入ってくださった方のお話を聞けたりして、
改めて前作の解説をしてみたいなと思い、
これから６回に分けて、セルフ解説をしていこうかなと思います。
途中で別の話題が入るかもしれませんが…
ただシンプルに曲を聴いて、楽しんでいただくのが一番ですが、
私自身が、ものづくりについて、どんな意図で作られたかなどを知ることが好きなので、
自分自身の曲作りについても少し触れることで、より楽しんでもらえたらなと思います。
第1曲［ヴァニタス］
まずヴァニタスとは何か。
これはこの作品を作ることになった、Sui Yumeshimaさんの個展のテーマでありました。
私はこのテーマを伺うまで、ヴァニタス…という言葉を知りませんでしたが、
調べてみると、絵画の分野で静物画のジャンルの一つ。
「人生の虚しさの寓意」を表し、バロック期の精神を表す概念でもあるのだそう。
地上の人生の虚しさ
虚栄の儚さ…
「メメント・モリ」…「死を忘れることなかれ」
「カルプ・ディエム」…「今を楽しめ」
などという中世ヨーロッパの芸術に取り上げられたテーマの一つで、
死を連想させる…頭蓋骨
加齢や衰退を表す…爛熟した果物
人生の短さを表す…砂時計やランプなど
こういったモチーフを、豊かさを意味するさまざまなモチーフに混ぜて描くことで、
現世の儚さ、虚しさなどを表現するものなんだそうです。
「みたことあるな…!!!」という絵画の数々でしたが、
そういう意味で書かれたものなんだということは初めて知り、
理解が深められたことがすごく楽しかったです。
栄華も若さも生命も永遠ではない…
最近Netflixでアニメの『平家物語』を観て感動したのですが、
（歴史をあらかじめ知っておくと理解しやすいです。もしよろしければぜひ観てみてください!!）
物語冒頭の祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり…の内容にも似た部分がありますね。
静かな［死］と、その中に蠢く［生命］
第1曲「ヴァニタス」は、この組曲の最初の曲、ということで、
より一層絵画的な曲にしようと思いました。
憂いを帯びた曲にしたく、調性はホ短調＝e-moll。
ただそこにある…というような、静かな曲。
静かなハープのアルペジオで始まり、湿った空気の中に死が停滞している様子を現しました。
その中に、ヴァイオリンとヴィオラのユニゾンで、
グレゴリオ聖歌（私の大好きなモチーフ）を模倣したメロディを漂わせ、
清らかに死を癒したいという思いを込めました。
うっすらと入れた、モヤモヤしたノイズ音は、
死の中に蠢く新たな生命や、人の目に写る血液が鼓動に揺れる様を現したものです。
生命は儚いが強い。
第２曲［生命の目覚め］につなぐ、序章のような1曲となっています。
『組曲：生命のフォリア』CDブックレットより 第1曲［ヴァニタス］e-moll 人生の虚しさの寓意。豊かさの裏に共存する死。 人間の死すべき定めを描く「ヴァニタス」のひんやりとした作品の空気感を、音楽の中に現した。 人生は儚い一過性のものに過ぎないけれども、私はその一瞬に希望を見出したいと思う。 ハープのアルペジオがゆっくりと流れる時間と共に変化する「生」を描き、 ヴァイオリンとヴィオラがユニゾンでグレゴリオ聖歌を模倣したメロディーを歌う。
今回のセルフ解説はあくまで作者の私のものです。
聴くタイミングによっても、景色や表情が無限に変化していく生き物だと思うので、
これからもその変化も楽しみながら、音楽で幻想の旅を楽しんでいただけたら、
嬉しいなと思います。
【取扱店】
あさいまりECサイト『夢みる旅行社』
https://tippytipper.theshop.jp/
＊サイン付きでお送りいたしております♪
gallery hydrangeaさま
https://gallery-hydrangea.square.site/
＊Sui Yumeshimaさんの個展の行われたギャラリーさまです♪
不思議かわいい雑貨店アランデルさま
https://arundel.shop-pro.jp/?pid=163694151
＊素敵な個人作家さんの作品が並ぶ、宝箱のようなお店♪
hydrangeaさまとアランデルさまには1点ずつ、
リリース限定版としてお作りした、オリジナルスタンド付きのセットが、
在庫であるようです。
スタンドは我ながら力作ですので、もし気になった方がおられましたらぜひ、
お手に取っていただけると嬉しいです。
ではでは今日はこの辺で♪
Have a nice dream…✦✦✦
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